医療情報×ブロックチェーン勉強会 (1) 医療情報の扱いと流通&政策動向

前提

この記事は、下記リンクの勉強会『医療情報×ブロックチェーンプロジェクトの実現可能性と課題 [医学生向け集中講義&討論会!]』において学んだことを記したものです。この勉強会は、医療情報システムにブロックチェーンを用いることの是非や実現可能性を議論することを目的とし、医療情報システムの日本における規格作りのエキスパートとして一般社団法人 保健医療福祉情報システム工業会 (JAHIS) 様を、医療業界におけるブロックチェーン導入の挑戦者としてMediblocを招き、講演とパネルディスカッションを行ないました。本記事『医療情報×ブロックチェーン勉強会 (2) 医療情報の扱いと流通&政策動向』では JAHIS 様の発表内容をまとめております。この記事の内容はあくまでも勉強会を受けた参加者個人の解釈をもとにまとめておりますことをご了承ください。

記 : https://www.meetup.com/ja-JP/Decentralized-Salad/events/256262260/

目次

  1. 個人情報とは
  2. 要配慮個人情報とは
  3. 個人情報・要配慮個人情報の第三者提供
  4. 次世代医療基盤法
  5. 医療情報の利活用に向けて検討中の制度

個人情報とは

個人情報の定義

個人情報とは特定の個人が識別できるものをいう。例えば, 「✖︎✖︎✖︎✖︎年✖︎✖︎月✖︎✖︎日生まれ ✖︎✖︎歳のときに✖︎✖︎病院にて✖︎✖︎の手術を行う」という情報があった時, ✖︎✖︎ の一つ一つは, 個人が特定されない限り個人情報ではなく, あくまでも情報の複合体で個人を識別できるものが個人情報である。

個人情報の取得と利用のルール

個人情報保護法 = 勝手に取得したり使ってはいけなくて, 情報の使用用途などをあらかじめ明示しておく必要がある。

明示の方法

  • 公表しておく (間接的。Webページなどに載せておく)
  • 個人に通知する (本人に直接同意を取る)

要配慮個人情報とは

要配慮個人情報の定義

個人に関する、人種・心情・社会的身分・病歴・前科・犯罪被害などの情報。例えば、「病歴」の情報であれば、障害の有無, 健康診断の結果, 保健指導, 診療調剤の情報など。

→ 他の個人情報に比べて一段階厳しめの取り扱いルールが存在する (要配慮)

要配慮個人情報の取得とルール

明示ではなく, 本人の同意を得る必要がある (伝えるだけではなく, 相手からOKをもらう必要がある)。

個人情報・要配慮個人情報の第三者提供

自分が集めた個人情報は, 自分のための利用のほかに、研究機関やメーカーなどの第三者に提供するときがある。第三者提供するときは本人に通知して同意をとる必要がある。

第三者提供の同意の取り方

個人情報の提供は「本人の同意が取れない場合はオプトアウト手続きを用いれば良いよ」、つまり、利用目的などに「第三者提供するよ」という旨や個人情報の伝達方法などをあらかじめ明示しておき、本人が嫌だと言ったらその提供を中止するのであれば第三者提供が可能。利用目的などは本人にわかるようにしておけばおっけー。

  • オプトアウト : 一旦はじめておいて, やだと言われたら除外するやり方
  • オプトイン : 本人の同意が取れた時だけ情報を集める方法
  • 一般的な個人情報では、実運用考えるとオプトイン原則。でもオプトアウトでも良い。
  • 要配慮個人情報では、オプトアウト手続きはダメ。しかし匿名加工情報という法律が去年確立。個人情報を, 特定の個人とわからないように, かつ復元できないように加工した匿名加工情報であれば第三者提供も可能、というもの。

次世代医療基盤法

要配慮個人情報は扱いづらいが, 情報は活用しないと意味がないため, 匿名加工医療情報の作成者の認定制度や, 取り扱いに関する規制が今年できた。次世代医療基盤法とは, 医療機関が本人にあらかじめ通知して, 本人が拒否しない場合, 認定事業者に対してのみ, 医療情報を提供することができます (オプトアウト手続きOK) というもの。

認定事業者は, 医療情報を病院から取得し (この段階では医療情報は加工されていない), その医療情報を加工した上で第三者機関に情報を渡すことができる。例えば, 製薬会社や国の調査機関などに渡す。 

認定事業者には, 多数の医療機関から医療情報が集まってくる。集まってくる医療情報は加工されていない。また, 適切な加工を施さないといけない。よって, 加工事業者は国からの認定を受けたものに限られる。

次世代医療基盤法は今年できた法律で, 認定取得にむけて動いている団体がいくつかあるが, まだ認定されている事業者はないため, 法律としては実際には動いていない。

医療情報の利活用に向けて検討中の制度

医療情報の適切な利活用に向けて, 政府としてやれることは法律やインフラなどの整備。そこで、政府が検討している, 医療情報の利活用促進のための制度を3つ紹介する。

(1) 全国保健医療情報ネットワーク (厚生労働省が検討中)

いまは病院間などが目的別に医療情報連携をする必要があり, 情報共有のネットワークを各々作らないといけない。そのネットワーク作りを, 国が肩代わりすることで, ネットワーク上のサービスを作る一般事業者が作りやすくなるのではないか? という考え方からスタート。

(2) 保険医療記録共有サービス

一般的には, 政府はネットワーク上のサービスまで提供する必要はないが, 作ったサービスが動かないとまずかったからなのか?保険医療記録共有サービスというネットワーク上のサービスを政府が作成中。

救急のときだけに参照できるような情報を共有したい。いまは, どのような情報を共有すれば効果的なのかを検討中。

(3) 情報銀行

個人情報を情報銀行に預けておくと, あらかじめ受けた個人の指示などにしたがって, 第三者に提供するという機関。情報を預けておくと, 情報を適切な所に公開して対価として利子が返ってくるというもの。投資信託に近い。2018年に認定審査受付開始。2019年3月に第一回めの認定事業者が決まるようで, 認定業者のハードルも低いそう。

実は現時点ではこの仕組みに, 要配慮個人情報は載せることができないが, これは現時点でのルールである。初めは普通の個人情報で行い, 成功したら要配慮個人情報も扱いを検討するらしく, 11月ころに第1回めの会議があり, 2月までに結論を得る, ということになっているらしい。

前回記事 : 医療情報×ブロックチェーン 【予習編】

https://omegastep.com/2018/12/02/%E5%8C%BB%E7%99%82%E6%83%85%E5%A0%B1x%E3%83%96%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%B3-%E3%80%90%E4%BA%88%E7%BF%92%E7%B7%A8%E3%80%91/ 

次回記事 : 医療情報×ブロックチェーン勉強会 (2)ヘルスケア分野におけるブロックチェーンの課題と未来 https://omegastep.com/2018/12/10/%E5%8C%BB%E7%99%82%E6%83%85%E5%A0%B1x%E3%83%96%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%B3%E5%8B%89%E5%BC%B7%E4%BC%9A-2/

投稿者: megavi1212

ジョージア系ユダヤ人とアルメニア人のハーフの母親と、日本人の父のもと、イスラエルで生まれる 早稲田大学先進理工学部物理学科を卒業 東京大学大学院理学系研究科物理学専攻に入学 学部時代は原子核物理学を量子多体計算をヘリウム3原子系の状態方程式に応用する研究を行い、大学院では低温物理学の研究室にてmK温度域におけるヘリウム3原子系に関する実験をおこなう 大学院在学中に海外人材業界や仮想通貨・ブロックチェーン業界でインターンを経験したのち、 仮想通貨・ブロックチェーン系の投資&コンサルティング会社にて社長秘書、セールス、海外のお客様の対応窓口、海外案件のプロジェクトマネジメント等を担当 2018年より株式会社imaのメンバーとして経営戦略室に着任 仮想通貨・ブロックチェーン業界をビジネス的には離れたものの、優秀な日本の学生を海外の仮想通貨・ブロックチェーンプロジェクトと繋げる活動をしている。 /Graduated from Department of Physics, School of Advanced Science and Engineering, Waseda University Enrolled in the physics course of the Graduate School of Science, University of Tokyo At the undergraduate age, conducted research on applying equations of state from nuclear physics to helium 3 system as quantum many body calculation At graduate school, conducted experiments on helium 3 system at mK temperature in laboratory at low temperature physics While attending the graduate school, worked as internship for cross board human resource industry and virtual currency / block chain industry Participated in virtual currency and block chain investment & consultation company, as who is responsible for president's secretary, sales, counterparts for overseas customers, project management for overseas projects, etc Participated in ima Inc. in 2018 as Strategic Management Officer

“医療情報×ブロックチェーン勉強会 (1) 医療情報の扱いと流通&政策動向” への 1 件のフィードバック

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中